2009年 09月 26日
ぼくの絵本美術館 |
堀内誠一
最初に著者を意識したのは、澁澤龍彦の『滞欧日記』。澁澤さんの”旅の友”としてでした。その後『anan』や『POPEYE』のロゴの作者であることを知り、『パリからの旅』などの美しいスケッチを知り、そしてその手によるたくさんの絵本と出合いました。今ではそのほとんどが、手放したくないお気に入りのものとなって、家の本棚に眠っています。
56年という短い生涯には見合わぬほどの膨大な仕事量。その合間を縫ってたくさんの旅をした人だと聞いています。この本は、その見聞の広さを物語るよう、ラスコーの壁画からはじまって中世のタペストリー、ルネッサンス絵画などを引き合いに出しながら、絵本のルーツをひもといていきます。
そんな壮大な章もあるかと思えば、古今東西、著者の好きな作品一つ一つについてのテキストや、作家の人となりに触れた章もあったりして…どこを開いても面白い。読み進める順序は問わず、時間をかけてゆっくり読んでいきたい本なのです。
この本を読んであらためて感じること。それは、描く・観るを問わず、技法を問わず、年代や洋の東西を問わず、著者が本当に絵を愛した人であったということです。澁澤さんとヨーロッパを旅したときも、この人はほとんど絵を観て歩いたんじゃないかな。それも、美術館の絵に限らず、町の看板や、公園の落書きまで。
「心からうらやましいと思うのはラスコーの壁画を発見した少年たち」
「絵を観ることはいつも感動と共にありたい」
そう語る著者が思い入れを持っていた一つが絵本であること。そんなことを思いながら眺めると、いつもの本棚もちょっと違って見えてきます。
最初に著者を意識したのは、澁澤龍彦の『滞欧日記』。澁澤さんの”旅の友”としてでした。その後『anan』や『POPEYE』のロゴの作者であることを知り、『パリからの旅』などの美しいスケッチを知り、そしてその手によるたくさんの絵本と出合いました。今ではそのほとんどが、手放したくないお気に入りのものとなって、家の本棚に眠っています。
56年という短い生涯には見合わぬほどの膨大な仕事量。その合間を縫ってたくさんの旅をした人だと聞いています。この本は、その見聞の広さを物語るよう、ラスコーの壁画からはじまって中世のタペストリー、ルネッサンス絵画などを引き合いに出しながら、絵本のルーツをひもといていきます。
そんな壮大な章もあるかと思えば、古今東西、著者の好きな作品一つ一つについてのテキストや、作家の人となりに触れた章もあったりして…どこを開いても面白い。読み進める順序は問わず、時間をかけてゆっくり読んでいきたい本なのです。
この本を読んであらためて感じること。それは、描く・観るを問わず、技法を問わず、年代や洋の東西を問わず、著者が本当に絵を愛した人であったということです。澁澤さんとヨーロッパを旅したときも、この人はほとんど絵を観て歩いたんじゃないかな。それも、美術館の絵に限らず、町の看板や、公園の落書きまで。
「心からうらやましいと思うのはラスコーの壁画を発見した少年たち」
「絵を観ることはいつも感動と共にありたい」
そう語る著者が思い入れを持っていた一つが絵本であること。そんなことを思いながら眺めると、いつもの本棚もちょっと違って見えてきます。
by ehonya-kirin
| 2009-09-26 18:44