2009年 10月 10日
鳥 |
鳥です。鉄の鳥。持つとずっしりとした重みを感じます。おなかの部分に穴があいていて、たぶんそこに杭を通してどこかに飾りつけられていたのだろうと思われます。
小さな写真ではよくわからないけれど、その表情に一目ぼれして、来月のイベント用に仕入れました。くちばしが折れているからと、言い値より安く手に入れられた。確かにほんの少しくちばしが短い感じがしますが、それがいい具合に味を出しています。
鳥のモチーフが好きだと前から思っていましたが、この鳥を手に取っていると、自分は”飛べない鳥”のモチーフが好きなことに気づかされます。鳥の置物、鳥かご、抜け落ちた羽根、以前ここでも紹介させていただいた絵本「ちいさなとりよ」は、死んだ鳥のお話でした。だからといって鳥を無理やり閉じ込めたい願望はないですよ…。実際目の前で飛んでいる鳥よりも、こういう飛べない鳥を通して、逆に大きく翼を羽ばたかせる自由な鳥のイメージが頭の中でふくらみませんか?
一度、強い雨の日に、家のベランダの手すりに2羽のトンビが雨宿りしていたことがあります。鳥の雨宿りって、濡れない場所に避難するわけではないんですね。翼をたたんでじーっとしているだけ。つがいでしょうか。いつものように餌を求めて山から下りてきたら、雨の強さに耐えきれなくなったのでしょうか。家族の絆が強いトンビだから、雨がやむのを待って、子どもたちのためにまた餌を探しにいくのでしょう。
キョロキョロとせわしなく顔を動かし餌を探すトンビだけれど、羽ばたく姿はやはり悠々としたものがあります。夕日の中を、風に乗って。
飛べない鳥はその裏に、大きな空を持っています。
by ehonya-kirin
| 2009-10-10 17:06